ピロと対談 |
河合ピロシ × 窪塚洋介 |
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― まずは近況などからお話しください |
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ピロ | 最近、なんか良い事とかありました? |
窪塚 | 最近ですか?いやあ、良い事だらけで困っちゃってますね。 |
ピロ | そうなんですか。なんかもう色々と聞く気の失せる答えですね。 |
窪塚 | よく言われます。 |
ピロ | じゃあなんか悪い事ってありました?私的な事でも、公的な事でも。 |
窪塚 | オレね、そういう分け方ってどうかと思うのよね。 私的とか公的とか、そういうのって結局どこかで繋がってるから。 いくら分けてみた所で、結局オレはオレなんだって。オレ以外にオレは居ないんだって。 |
ピロ | ああそうですか。なんかもうしょっぱなから面倒くさいな。 |
窪塚 | よくよく言われます。 |
ピロ | でもこう、窪塚君レベルで有名人だと、なんか名前が勝手に 一人歩きしてるみたいな感覚ってないですか? 芸能人としての窪塚と、そうでない窪塚みたいな。 |
窪塚 | ピロシさんはどうですか。オレとまあ互角くらい有名だと思いますけど。 |
ピロ | 僕の場合はまあ子供の頃からだからねえ。アイデンティティ持つ前に既に有名人だったから。 |
窪塚 | オレも地元では結構有名だったんですけどね。ピロシさんほどじゃないけど。 |
ピロ | ほら、最近窪塚君って結構ゴシップ記事とか書かれたりしてるでしょう? やっぱそういうのって中にはウソとかもあるワケじゃないですか。 それで勝手にそういうイメージ持たれたりする事ありますよね。 |
窪塚 | ウソですか?いやあウソ書かれてるって事はないんじゃないですか。 なんて言うか、逆に完全に正確な事実の記事ってのもなかなか無いと思いますしね。 多少違うところはあってもね、まあだいたいそんなもんなんじゃないですかね。 |
ピロ | へえそうなんですか。じゃあ例えば、加納姉妹と3Pとかしたの? |
窪塚 | してないですね。っていうか加納姉妹って金取るんですよ。 金払うくらいなら他行くっての。 |
ピロ | でも、この前雑誌にそんな事かいてありましたよ。 |
窪塚 | あれ?そうなんですか。じゃあやったかもしれないですね。 |
ピロ | なにそれ。どっち? |
窪塚 | いやあ雑誌に書いてあったんでしょ?ならきっとそうなんですよ。 そうかーオレもなかなかやるなあ。 ああ!分かった。それでお小遣い帳の残高が合わなかったんだ。そうかそうか。 |
ピロ | え?ナニ、窪塚君は記憶力が極度に不自由な人なの?メメント? |
窪塚 | いやね、ピロシさん。 人間の記憶ってのはかなり曖昧なものなんです。 知らず知らずの内に自分の都合の良いように修正されてしまっていたりするものなんです。 心理学の実験で証明されてるんですよ。心理学のね。実験でね。 |
ピロ | うーん。まあ、言いたい事は分かりますよ。 まあ多少そういう部分もあるかとは思いますけどね。 でもそういうのって日常的な細い事だから曖昧なのであって、 3Pしたとか、そういうスペシャルな事は覚えてるんじゃないですか? |
窪塚 | いやあ、オレよく3Pしますもん。もう毎日ね。 |
ピロ | 毎日!? 毎日3Pするんですか?良いねえ、若くて。若すぎるね。 そんならまあ覚えてなくても仕方ないかなあ。 じゃあ、あれですか。昨日もやったんですか? |
窪塚 | 昨日ですか?いやあ今週の事はまだわかんないですよ。 今週の事は、来週の雑誌に出ますからね。それまで待たないと分からないです。 |
ピロ | なんですか。昨日の事も覚えてないんですか。 |
窪塚 | え?そりゃ覚えてますよ。覚えてますけどね、雑誌見ないと確実な事は言えませんよ。 いやね、つい先月もね。テレビの番組で、「オレは普段3Pなんてしないですよ」って ウッカリ言ったんですけど、後日、ふと雑誌見たら「窪塚、毎日3P三昧」って書いてあったんですよ。 愕然としましたよ。そうだったのかと。 悪気は無かったんですけど、結果的に視聴者にウソついた形になっちゃいましてね。 この場を借りて謝りたいです。ごめんなすって。 ピロシさんも気をつけたほうが良いですよ。ウッカリ発言。 |
ピロ | え、いや、ちょっと待って。「毎日3P」って言うのは雑誌にそう書いてあっただけでしょ? 自分の記憶的にはどうなの? |
窪塚 | ピロシさん、だからさっきから言ってるように、人間の記憶ってのは曖昧なものなんですよ。 ある有名な哲学者の言葉ですけどね、人生とは洗脳の連続である。ってね。 まず母親に洗脳され、次に教育に洗脳される。友人や恋人に洗脳され大人になり、 自らの子供にまで洗脳される。そして最後は医者に洗脳されるのだ。君の命はもう終わりだと。 そう言ってるんです。有名なね。哲学者がね。 |
ピロ | 「雑誌に洗脳される」が抜けてるよ。 |
窪塚 | いや、これは昔の人の言葉ですから。まだ雑誌はありませんでしたね。 まあとにかくそういう事ですから。いつどんな風に洗脳されているか分かったもんじゃない。 簡単ですよ、記憶を操作するなんてね。良かったら今やってみましょうか? |
ピロ | ええ?なんか面倒くさそうだからいいですよ。 |
窪塚 | まず、昨日の夜、21時から22時の間に何をしていたか思い出してください。 そしてそれを3つの単語で表現してもらえますか。 |
ピロ | 無視かよ。いいって言ってんのに・・・・ ああ、そうだなあ、んー・・・テレビ、ソファー、ウーロン茶。 |
窪塚 | はい。では、そのウーロン茶の事をよく思い出して、またそれを3つの単語で表現してください。 |
ピロ | えー?ウーロン茶ねえ。 んーと、・・・・ワイングラス、茶柱、福建省。 |
窪塚 | ふむふむ。なるほど。だいたい分かりました。こうですね。 本場のウーロン茶を楽しむ為に福建省に行ったんだけど、たまたま現地で茶柱さんが 欲しがっていたワイングラスを見つけたので、これ、茶柱さん喜ぶぞーと思って 買って帰ってきてから、あー!ウーロン茶飲みに行ったんだった! という本来の目的を思い出して、愕然とした。 とまあ、そんな所ですか。 |
ピロ | そうそう、茶柱さんの笑顔がどうしても見たくてさあ・・・っておい。 1時間で福建省から帰ってこれるかよ。 |
窪塚 | はい!ほらね! 良いですか、ピロシさん。茶柱さんなんて存在しないんですよ。 今のは全部僕の作り話です。それなのにあなたは茶柱さんの笑顔が見たくてさあ、 なんて事をのたまってしまいました。もう完全に記憶操作されてますね。 だいたい、茶柱さんって。いるかよそんなヤツ。ププッ。 |
ピロ | ・・・いや、あの、だからそれはさ、ノリツッコミですよ。ボケに乗ってから突っ込むっていうさ。 |
窪塚 | あら、言い訳しちゃっていやーねー。見苦しいわ。 じゃあそのノリツッコミってのは無しで言ってみて下さいよ。 |
ピロ | ああ、だから、福建省産のウーロン茶をワイングラスで飲んだんですけど、 注いだ時に茶柱が立ってましてね。ラッキーかなあなんて。まあそんな話です。 |
窪塚 | 何それ。そのまんまじゃないですか。つまんねえ。 もっと人生にリスクを負わないとこの先やって行けませんよ。 |
ピロ | 君がリスク負いすぎなんだよ。すいませんね、つまんない人生で。 |
窪塚 | まあいいや、じゃあピロシさんは、昨日の夜21時から22時の間、 茶柱の立った福建省産のウーロン茶をワイングラスで飲んでいた。 それで良いですね? |
ピロ | ああ、まあそうですけど。 |
窪塚 | はいはいはいはい!!いやー単純な人だなー。 良いですか?これが記憶操作なんです。もう完全に操作されてますよ。 |
ピロ | なんで? |
窪塚 | 最初に言った「テレビ」と「ソファー」の記憶がなくなってるじゃないですか!!! もはやあなたはウーロン茶の事で頭が一杯だ。おみやげのワイングラスを片手に 存在もしない茶柱さんを探して、夜の街をさまようのさ!!永遠にな! |
ピロ | 別に記憶無くなってないですけど・・・。ソファーに座ってテレビ見てましたよ。昨日。 |
窪塚 | それは今オレがその記憶を呼び覚ましたからですよ。 感謝して欲しいですね。そうでもしなければ永遠にさまよい続ける所でしたよ。 はい、感謝料200円ください。 |
ピロ | ああ?・・・まあいいや。はい、200円。ドウモアリガトウゴザイマシタ。 |
窪塚 | はいどうも。おっとお小遣い帳につけなきゃ。感謝料200円っと。 ピロシさんもお小遣い帳つけた方がいいですよ。オレは毎日つけてます。 数字はウソをつきませんからね。これで自分が何をしたか確実にわかります。 |
ピロ | ああ、そうですか。すごく説得力ないね。しかし。 |
窪塚 | あ!今 感謝しましたね!はい200円。 |
ピロ | 払うかボケ。 |
― 今の世の中に言いたい事とかありますか? |
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ピロ | 窪塚君と言えば、最近はこう若者の代弁者みたいな感じで、社会的な発言とかをよく してるような気がしますけど、最近特に気になってる事とかってあります? |
窪塚 | 最近ですか?なんですかねー。・・・・・特にないんじゃないですか。 っていうかなんか腹が痛くなってきた。 |
ピロ | なんかホラ、イラク戦争の事とか、テロの事とか、そういうの言ってませんでした? |
窪塚 | ああー。・・・・いいですよその話は。長くなるし。それよりなんか腹痛いし。 |
ピロ | いやいや、対談なんだから喋ってくださいよ。トイレ行ってきていいですから。 |
窪塚 | ああ、違うんですよ、そういう痛みじゃないんですよね。 なんかこう、なんとなくテンション下がる系なんですよ。ホルモンバランスが悪い感じの。 あー、なんか適当に一人で話しててください。 |
ピロ | まあ分かるような分からないような感じですけど、話くらい出来ないですか。 |
窪塚 | まあ出来るかって言えば出来ますけどね。やる気はないですよね。 って言うか一人で喋ればいいじゃん。オレ聞いてますから。 |
ピロ | なんですか。対談のタブーに挑戦ですか。 |
窪塚 | そうそ、うオレね、そのタブーとか言うの?スゲーキライなの。だから常に挑戦してるんです。 やっぱり、チャレンジャーで居たいっていう気持ちは昔から強いですね。 |
ピロ | でもあんまり挑戦しすぎると成り立ちませんよ。 |
窪塚 | あーあ。そういう事言うようになったらオトナって感じですかね。 それでも何とかして新しい形を作っていくっていうのが挑戦じゃないですか。 みんな今ある枠っていうものに捉われすぎてるんですよ。 ピロシさんもアーティストならその辺分かって欲しいな。 |
ピロ | ああ、でももう既にかなり挑戦してると思いますよ。普通の対談と比べたらね。 そうだなあ、これ以上挑戦すると多分対談じゃなくなりますけど。 |
窪塚 | あああ、もう、その、対談じゃなくなる。とか言うのがなあ。。。 対談を超えた所に何かがあるんじゃないか、って。思いません? |
ピロ | 超えるとか超えないとか言うものじゃないけどね。 |
窪塚 | あ、そうそう、丁度良い話があるんですけど、 なんかオレこの前、地球を上から撮った写真見たんですよ。 写真って地図と違うのって、国境が無いんですよね。だけど、オレは無意識のうちに、 その写真を見ながら国境線をそこに見てしまったんです。ここはインドだ、ここは中国だって。 |
ピロ | ふーん。なんか良い話っぽいですね。 |
窪塚 | いや、それでね。モンゴルの場所とか形とかが良く覚えてなかったんですよ。 どこがモンゴルだっけなー、モンゴルってどんなんだっけかなーって。 その時にハッとしてね。もし世の中の地図を全部この写真にしたら、 どこからどの国だとか、みんなよく分からなくなるんじゃないかって。 そしたら、みんなそんな事気にしなくなるんじゃないかなって。 |
ピロ | ふんふん。良い話っぽいですね。 |
窪塚 | それでね、凄い事考えたんです。気付きません? |
ピロ | 凄い事ですか。なんかあんまり気づきたくないなーそれは。 |
窪塚 | みんなが完全にそんな事気にしなくなった後に、オレが地図作るんですよ。 なんか不便だから地図作ってみましたー!って言ってね。 で、どさくさに紛れて韓国と北朝鮮の国境線を無くしちゃうの。 |
ピロ | ふんふん。 |
窪塚 | これで見事に南北統一ってね。凄くないですか。 |
ピロ | うーん。凄いなー。 |
窪塚 | でしょー?!国境とか言ってマジサイアク。マジテロリスト。 |
ピロ | ねー、窪塚君。地図が無くなって、全部写真になった段階でさー |
窪塚 | 国境マジクタバレ。マジアリエナイ! |
ピロ | 写真になった段階でさー、既に無いじゃんかー、っていうかそもそもそれがさー |
窪塚 | FUCK OFF KOKKYO! |
ピロ | 南北どころか、国とかの概念も無くなってんじゃんかーそれを君がさー |
窪塚 | 国境とか言っても小泉今日子の略じゃねえぞ!あんまなめんな! |
ピロ | おまえがなめんな。 |
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